Steam で売るゲームには、作品を紹介して販売する「ストアページ」が必要です。ストアページは完成後に作るものではなく、発売前から「近日登場ページ」として公開し、気になった人にウィッシュリスト(Steam の「欲しいものリスト」)へ入れてもらう窓口として使います。工程では「発売準備」に入り、開発と並行して進めます(全体の流れは「ゲーム開発の全工程マップ」)。
本記事では、Steamworks(Steam の開発者向けの管理サイト)への登録から、ストアページの各要素の規格と決め方、審査を通して近日登場ページを公開するまでを、個人〜少人数の開発を基準にまとめます。宣伝は「インディーゲームの宣伝」、体験版は「ゲームの体験版(デモ)の作り方」で扱います。規則と数値は2026年10月4日に Steamworks の公式ドキュメント(英語)で確認したものです。告知なしに書き換わることもあるので、作業の前にリンク先を確かめてください。
夕宮たいだふぁ……みんな〜、今日は Steam のストアページの話だよぉ。ゲームが完成してから作るもの、って思いがちだけど、実は開発の途中から出すものなんだぁ。一緒に順番を整理していこ〜。
ストアページとは
ひとことで:Steam で作品を紹介・販売するページで、発売前は「近日登場ページ」としてウィッシュリストを集める窓口になります。
ストアページには、カプセル画像(一覧や特集に出る、作品の顔になる画像)、トレーラー(紹介動画)、スクリーンショット、説明文、タグ、対応言語、システム要件などが並びます。発売前に公開すると「近日登場(Coming Soon)」と表示され、その段階からウィッシュリストに追加できます。発売したときには、登録した人へ Steam から通知が届きます。Valve も公式ドキュメント(Wishlists)で、準備ができしだい近日登場ページを出すよう勧めています。
近日登場ページは発売の条件でもあります。新しい製品は、発売前に近日登場ページを最低2週間公開しておく必要があります(Coming Soon)。作業は大きく次の4つです。
- ① Steamworks に登録し、作品のアプリを作る
- ② ストアページの要素(画像・動画・文章・タグ・言語・要件・内容の申告・発売日の表示)をそろえる
- ③ 審査を通して、近日登場として公開する
- ④ 発売までに、ビルド(配布するゲームのファイル一式)の審査を通す
④は「マスターアップとは」、発売当日の動きは「ゲームの発売(リリース)手順」で扱います。ゲーム会社では一般に、広報・アート・翻訳の担当者が素材を分担しますが、個人や少人数では、開発と同じ人がこれらを並行して進めることになります。
Steamworks の登録と Steam Direct
ひとことで:Steamworks に販売者として登録し、作品1本ごとに $100 の Steam Direct の手数料を払います。
Steamworks のパートナー(販売者)として登録するときは、次の情報を求められます(Onboarding)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 法的な名前 | 法的な氏名・会社名(屋号は使えない)。個人は個人事業(Sole Proprietorship)として、氏名を会社名の欄に入れる |
| 銀行情報 | 売上の振込先。口座の名義は登録した名前と一致させる |
| 税務 | 米国の W-9、租税条約のある国の W-8BEN に相当する情報。照合に10〜15営業日かかることがあり、その間は修正できない |
| 本人確認と契約 | 本人確認と、NDA(秘密保持契約)・配信契約への電子署名 |
筆者が登録したときは、本人確認で身分証の写真が足りずに手続きが止まっていました。
登録が済んだら、Steam Direct の手数料を払って作品のアプリを作ります(App Fee)。
- 手数料は1本(アプリ)ごとに $100(または相当額)。Steam ウォレットの残高では払えない
- 返金はされないが、その作品の調整後の総収益(Steam ストアとゲーム内課金の売上)が $1,000 以上になった後の支払いで回収される
- 支払いから発売まで最低21日かかる。2026年9月に公式ドキュメントが30日から21日に書き換わった(Steam Direct の紹介ページは30日のまま。2026年10月4日に確認)
初めて作品を出す開発者は、AppID(作品ごとの番号)を作ってから3週間たたないと、報道や配信者に送る Steam キーを申請できません(Steam Keys)。筆者の麻雀ゲームでは、AI 側の作業は速く、日程を決めたのは Steam 側の手続きの待ち時間(登録→アプリの発行→ストアの審査→近日登場から発売まで最短2週間→ビルドの審査)でした。そこで、いちばん時間のかかる素材(カプセル画像・スクリーンショット・予告編)は、アプリの発行より前から並行で作り始めました。



ほえ〜、$100 は売上が $1,000 を超えると回収できるんだぁ。でも支払いから発売まで最低21日かかるから、払うのは早めがいいねぇ。
ストアページに載せるもの
ひとことで:画像・動画・文章・タグ・言語・要件・内容の申告・発売日の表示を、公式の規格と規則に合わせてそろえます。
先に、要素ごとの「決めるときの基準」を一覧にします。規格は小見出しごとに説明します。
| 要素 | 決めるときの基準 |
|---|---|
| カプセル画像 | 小さく縮めても、作品名とジャンルが伝わるか |
| スクリーンショット | 中核の遊びが、最初の数枚で伝わるか |
| トレーラー | 冒頭の数秒で、遊んでいる画面が見えるか |
| 説明文 | 1文目で、ジャンルと「何をするゲームか」がわかるか |
| タグ | 類似作を遊ぶ人が使う言葉か |
| 対応言語・システム要件 | ゲーム内で実際に選べる言語か。動作を確かめた環境か |
| 内容の申告 | 実際の内容と一致しているか |
| 発売日の表示 | 確実に守れる粒度か |


カプセル画像(2024年8月以降のサイズ)
カプセル画像は、検索結果・特集・セールなどで作品の顔として表示される画像です。2024年8月に大きいサイズへ変更され、旧サイズ(ヘッダーの 460×215 など)は受け付けられません(Graphical Assets)。
| 画像 | サイズ(px) | 表示場所・注意 |
|---|---|---|
| ヘッダーカプセル(必須) | 920×430 | ストアページの上部・おすすめの欄 |
| 小カプセル(必須) | 462×174 | 検索結果・一覧。184×69 と 120×45 の版が自動で作られる |
| メインカプセル(必須) | 1232×706 | トップページ最上部の大きな枠 |
| 縦長カプセル(必須) | 748×896 | 季節セールのトップなど |
| ページ背景(任意) | 1438×810 | 控えめな絵にする。未設定なら最後のスクリーンショットから自動で作られる |
| ライブラリ用カプセル(必須) | 600×900 | 購入した人のライブラリ |
| ライブラリ用ヒーロー(必須) | 3840×1240 | 文字を入れない。中央の 860×380 が切れない安全域 |
| ライブラリ用ロゴ(必須) | 幅1280 かつ/または 高さ720 | 背景透過の PNG。ロゴ以外の文字は入れない |
ほかに、ライブラリ用ヘッダー(920×430)とアイコン類も用意します。何を入れてよいかは、2022年9月に施行された規則(Graphical Asset Rules)で決まっています。
- 入れてよいもの:ゲームの絵・ゲーム名・公式のサブタイトルだけ
- 入れてはいけないもの:レビューの点数(Steam のものも外部メディアのものも)/賞の名前やマーク/「最大90%オフ」のような割引の文句/「ウィッシュリスト登録受付中」のような行動を促す文句/続編を含む他作品の宣伝/その他の文字
- すべてのカプセルに読めるロゴを入れ、絵は PG-13 相当(米国の映画の区分で、13歳未満には保護者の注意が求められる程度)にする。違反すると露出が制限され、公式のセールやイベントの特集から外れることがある
- 期間限定の文字(大型アップデートの告知など)は Artwork Override(期間限定の差し替え)で最大1か月、全対応言語に翻訳して入れる。レビューの引用や受賞歴は専用の欄(Store Page Accolades)に載せる



カプセルに「ウィッシュリスト登録受付中!」って書くの、絶対ダメだよ! 入れていいのは、絵と作品名と公式のサブタイトルだけなんだぁ。
スクリーンショットとトレーラー
スクリーンショットは最低5枚・1920×1080 以上の16:9で、ゲーム画面だけを載せます。コンセプトアート、ムービーの静止画、受賞の表示、宣伝文句は審査で認められません(Review Process)。全年齢に適したものを「suitable for all ages」として4枚以上チェックしておかないと、一部の場所に表示されません。キュレーター(おすすめを発信する人や団体)にレビュー用のコピーを送る Curator Connect では、相手に最初の3枚が表示されます(Curators and Curator Connect)。最初の数枚には、中核の遊び(コアループ)が伝わる画面を置きます。パズルなら「盤面と、消える瞬間」、ノベルなら「会話と選択肢の場面」です。
トレーラーは、公式ドキュメントの中でも「発売の過程でアップロードが求められる」(Trailers)と「できれば用意する」(Coming Soon)という書き方が混ざっています。必須か任意かは断定せず、実質必須と考えて用意するのが安全です。
- 形式:最大 1920×1080、30/29.97 または 60/59.94 fps、5,000 Kbps 以上、.mov/.wmv/.mp4(H.264 の映像と AAC の音声が望ましい)
- 最初に並べるトレーラーはゲームプレイ中心が強く推奨され、有効な最初の2本はスクリーンショットより前に表示される
- 最初に表示される動画から、1秒ずつ6か所を自動で切り出した6秒のループ(マイクロトレーラー)が作られる。中身は選べない
- トレーラーの変換中は発売できない



トレーラーは必須? 任意?……公式の中でも書き方が違うんだぁ、むずかしいねぇ。迷うくらいなら作っておく、で大丈夫だよぉ。
説明文
短い説明(Short Description)は、作品を数行で紹介する文です。公式ドキュメントは「数百文字に制限」とだけ書いており、正確な上限の数値は確認できませんでした。書式は使えず、「発売中」「予約受付中」のような時期の言葉は入れません。詳しい説明(About This Game)には画像や GIF も入れられますが、2024年9月上旬から、外部サイトへのリンク(QR コードや「◯◯ドットコム」のような文字も含む)、Steam の UI に似せた画像(偽のウィッシュリストのボタンなど)、Steam 上の他作品の宣伝が禁止されました。SNS へのリンクは、基本情報(Basic Info)タブの専用欄に入れます(Store Page Written Description)。
審査では「発売時に入っている機能・内容だけを載せているか」も見られるので、発売に間に合わない機能は書きません。また、ゲーム名は発売前の審査を通ると、ストアページの編集では変えられなくなります。
タグ
タグは、検索・絞り込み・おすすめに使われる短い言葉です。発売前に最低5個が必須で、最大20個まで付けることが推奨されています。表示とおすすめに使われるのは上位20個で、一部の絞り込みは上位15個を優先します。体験版は本編のタグを引き継ぎます(Steam Tags)。
類似作のストアページを数本開いて上位のタグを比べ、上位には遊び方の言葉(「ローグライク」「デッキ構築」など)を、その後に雰囲気の言葉を置きます。類似作の調べ方は「ゲーム企画の立て方」で扱っています。
対応言語とシステム要件
対応言語は、言語ごとに「インターフェース」「フル音声」「字幕」を指定します。言語の対応はストアページではなく、ゲーム内の言語設定で判断されます(Localization and Languages)。説明文だけを翻訳した言語は、対応言語として載せません(多言語化は「ゲームのローカライズ」)。
システム要件は、対応 OS(Windows・macOS・Linux など)ごとに入力します。ビルドの審査では、載せたすべての OS で起動するかが確かめられます(Platforms)。動作を確かめた OS と構成だけを書きます(確かめ方は「βROM(ベータ版)とは」)。
内容の申告(Content Survey)
Content Survey は、ストアページとビルドを審査に出す前に答える、内容の申告です。3部に分かれます(Content Survey)。
- ① 一般的な内容:回答から、いくつかの地域の年齢区分が自動で作られ、発売後にストアに表示される
- ② 成人向けの内容:利用者がストアの設定で表示を選べる分類と対応し、審査チームが確認する
- ③ 生成AI:ストアページの「AI Generated Content Disclosure」欄に、開発者の説明が表示される
回答は審査で実際の内容と照らし合わされます。ビルドに入っている成人向けの内容は、ゲーム内で到達できなくても申告が必要です。ドイツでは2024年11月15日から、年齢区分のないゲームが表示されなくなっており、Content Survey に答えていないと Valve の区分も付きません。年齢区分は「ゲーム開発の権利と規約」で扱います。
発売日の表示
管理画面では必ず具体的な予定日を設定しますが、この日付は利用者には見えません。ストアページの表示は「日付」「年月」「四半期」「年」「日付なし(Coming Soon)」の5通りから選べ、発売まで切り替えられます。「未定」を表す選択肢はありません。一覧では、選んだ期間の最後の日として並びます。予定日の2週間前を過ぎると発売日を変更できないので、予定日は守れる日に早めに直し、表示は確実になるまで年月や四半期にしておきます(Release Dates)。
審査を通して近日登場ページを公開する
ひとことで:チェックリストを埋めて審査に出し、承認されたら自分でボタンを押して近日登場として公開します。
公開までの流れは次のとおりです(Coming Soon・Review Process)。
- ① ストアページのチェックリスト(画像・説明文・タグ・Content Survey など)をすべて埋める
- ② 「Mark as ready for review」で審査に出す。審査は通常3〜5営業日で、公開したい日の少なくとも7営業日前に申請するよう案内されている
- ③ 承認されたら、緑の「Post as Coming Soon」ボタンを自分で押して公開する
審査では、ここまでに挙げた規則(発売時に入る内容だけか、カプセルに読めるロゴがあるか、など)が確かめられます。ビルドの審査は、ストアページを審査に出した後でないと申請できません。こちらも通常3〜5営業日で、少なくとも7営業日を見込むよう案内されています。発売には、ストアページとビルドの両方の承認が必要です。


| 発売日から逆算した目安 | やること |
|---|---|
| 準備ができしだい | 近日登場ページを公開し、ウィッシュリストを集め始める |
| 公開したい日の7営業日以上前 | ストアページを審査に出す |
| 発売日の2週間以上前 | 近日登場ページが公開済みであること(発売の条件)。2週間前を過ぎると発売日は変えられない |
| 発売日の7営業日以上前 | ビルドを審査に出す |
| 発売日 | 管理画面の「Release App」を自分で押す(承認されても自動では発売されない) |
近日登場の2週間は、発売の条件としての最低限です。ウィッシュリストを集める期間は別に考え、見せられる画面とトレーラーがそろったら公開を検討します。
よいストアページの判断基準
ひとことで:「初めて見た人が数秒で何のゲームかわかるか」と「書いたことがすべて発売時に入っているか」の2つで判断します。
- 伝わるか:縮めたカプセルで作品名が読める/カプセル・トレーラーの冒頭・1枚目のスクリーンショットが同じゲームに見える/短い説明の1文目でジャンルと遊び方がわかる
- 守れるか:書いた機能・言語・OS が、発売時のビルドで確かめられる/規則違反がない
基準は作品ごとに具体的に書き出します。2Dアクションなら「トレーラーの3秒以内に、ジャンプと攻撃が映る」、カードゲームなら「1枚目のスクリーンショットで、手札と場が見える」などです。完了の条件は、審査を通って近日登場として公開され、2つの軸を満たしていることです。公開後も、画面の質が上がったら素材を差し替えます。
AIゲーム開発でのストアページづくり
ひとことで:説明文の下書き・翻訳・タグ候補の洗い出しは AI に任せやすく、作品の顔の選定と生成AI の開示は人が決めて確かめます。
AI に任せやすいこと
| 作業 | AI に頼む内容 | 人が確かめること |
|---|---|---|
| 説明文の下書き | 企画書と「発売時に入る機能の一覧」から、短い説明の案を複数 | 書いた機能がすべて入っているか |
| 翻訳 | 説明文・タグ・システム要件の一次訳 | ゲーム内の訳語と一致しているか |
| タグ候補の洗い出し | 類似作のタグと並べた比較表と、並び順の案 | 上位の言葉が作品の中核と合っているか |
| 画像の書き出し | 元絵から各サイズへの切り出しと、安全域の検査のスクリプト | 縮めても作品名が読めるか |
| 入力の手順書 | 全項目の規格と確認方法をまとめた入力ガイド | 公式ドキュメントの最新の値と合っているか |
カプセル画像は、生成AI に文字のない背景だけを描かせ、ロゴと文字は後から合成するのが安全です。生成AI は文字を崩しやすく、カプセルに入れてよい文字も限られているからです。筆者の麻雀ゲームでは、カプセルは Codex に文字のない背景だけを描かせて、立ち絵とロゴを合成しました。麻雀牌の絵柄や文字も、生成AI では崩れるのでコードで描いています。
人が決めること・確かめること
- 作品の顔:カプセル・最初のトレーラー・最初の数枚のスクリーンショットに何を見せるか。案は AI でいくらでも増やせますが、選ぶのは作品の方向を決めている人です
- 約束する範囲:AI の下書きは「多彩な」「無限の」のような強い言葉や、まだ入っていない機能を書きがちです。根拠の一覧と1行ずつ照らし合わせます
- 開示の中身と公開のボタン:何に AI を使ったかを知っているのは作り手だけです。申告の中身と、審査に出す・公開する操作は人が持ちます
案を作る手間が減るぶん、「どれを選ぶか」と「書いたことが事実か」を確かめる作業が重くなります。案が増えるほど、規則に合わない文言や誇張が紛れ込む余地も増えるので、最後の照合を人の作業として残します。
生成AI の開示は素材の種類ごとに
2026年10月時点の公式ドキュメント(Content Survey)では、開発環境の AI ツールによる作業の効率化(コード補完など)は申告の対象外で、対象はゲームに同梱されてプレイヤーが触れる内容(絵・音・物語・ローカライズなど)です。開発中に作って同梱するものは「事前生成」、実行中に AI が作るものは「ライブ生成」と呼び、ライブ生成では違法な内容を作らせない安全策(ガードレール)も申告します。2024年1月の導入時はコードも例に入っていたため、「AI で書いたコードも申告」という古い解説は今の文言と合いません。一方、2026年1月に変わった申告フォームは宣伝用の素材にも触れていると報じられていますが、公開ドキュメントには記載がありません。迷うものは書いておく方が安全です。
開示の説明はストアページにそのまま表示されるので、「AI を使用しています」の一言にせず、素材の種類ごとに書き分けます。架空のノベルゲームなら、次のような形です。
- 背景画像の一部は、画像生成AIで作った下絵をもとに、開発者が加筆・修正しました
- BGM の一部は、音楽生成AIで作成しました。立ち絵とシナリオは、すべて人が作っています
- ゲームの実行中に、AI がコンテンツを生成することはありません
筆者の麻雀ゲームでは、初回の審査が「日本語の作品名が既定の欄にしか入っていない」「AI 利用の開示が薄い」の2点で差し戻されました。英語の作品名を既定の欄、日本語の作品名を日本語の欄に入れ直し、開示を素材の種類ごと(画像・BGM・文章の下書き・コードに AI を使用/効果音は人が作成/実行中の AI 生成は無し)に書き直して通過しました。コードは今の文言では対象外ですが、筆者は書き添えています。
落とし穴
- AI で作った「それらしい画面」:スクリーンショットはゲーム画面だけです。生成した想像図や、実際より豪華に描き直した画像は使えません
- 誇張した説明:発売時に入っていない機能を書くと、審査で指摘されるうえ、買った人の信頼も失います
- 訳語のずれと他作品の名前:ゲーム内の用語集を渡してから訳させます。AI は類似作の名前を入れがちですが、説明文での他作品の宣伝は禁止です。筆者はストアページに他社の作品名を書かない方針にしています
Goal: Steam の短い説明の案を5つと、タグの候補を20個作る
Context: 根拠は docs/concept.md(企画書)と docs/launch_features.md(発売時に入る機能の一覧)だけ。類似作3本のタグは docs/similar_tags.md にある。まだ入っていない機能と、他作品の名前は書かない
Done when: 各案に根拠の行番号が添えてあり、タグは類似作のタグと並べた表になっている
依頼文の組み立て方は「Claude Code プロンプト設計」で解説しています。



ぁぅ……AI の開示を「使いました」の一言で済ませると、差し戻されることもあるんだぁ。素材ごとに書き分けてねぇ。
よくある失敗と対処
ひとことで:つまずきの多くは、規格・規則・申告の食い違いです。症状から原因を切り分けます。
| 失敗 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 審査で作品名を差し戻された | 日本語の作品名を既定の欄にだけ入れた | 既定の欄に英語の作品名、日本語の欄に日本語の作品名(筆者の例) |
| 審査で生成AI の開示を差し戻された | 説明が薄い | 素材の種類ごとに、何をどう使ったかを書く(筆者の例) |
| 画像を作り直すことになった | 旧サイズ(460×215 など)で作った | 2024年8月以降のサイズで作る |
| カプセルの修正を求められた | 宣伝文句・受賞・割引の文字を入れた | 絵と作品名と公式のサブタイトルだけにする |
| 日本語のページだけスクリーンショットが2重に出た | 2つの枠の日本語用の差し替えに、同じ画像を入れていた | 差し替えを見直し、言語ごとに表示を確かめる(筆者の例) |
| 開発元に本名が出た | 開発元・販売元の欄を設定していない | サークル名などを設定する(筆者の例) |
| 機能の欄に「Steam クラウド」と出るのに、セーブが同期されない | 自動クラウドの容量だけを設定し、同期するファイルの指定が0件だった | 同期するファイルを指定し、最初の指定で自動でオンになる「開発者のみ」を外す(筆者の別の作品の例) |
チェックリスト
ひとことで:審査に出す前に、次の項目を確かめます。
- [ ] Steamworks の登録と Steam Direct の支払いを済ませ、支払いから発売まで最低21日あることを予定に入れた
- [ ] カプセル画像を2024年8月以降のサイズで作り、文字は作品名と公式のサブタイトルだけにした
- [ ] 小カプセルを 184×69 に縮めても、作品名が読める
- [ ] スクリーンショットを5枚以上ゲーム画面だけで用意し、全年齢向けに4枚以上チェックした
- [ ] トレーラーの冒頭と短い説明の1文目で、ジャンルと遊び方がわかる
- [ ] 説明文に、外部リンク・Steam の UI に似せた画像・他作品の宣伝・発売時に入らない機能がない
- [ ] タグを5個以上(推奨は20個まで)付け、上位に遊び方の言葉を置いた
- [ ] 対応言語とシステム要件は、実際に確かめたものだけを書いた
- [ ] Content Survey に実際の内容どおり答え、生成AI の開示を素材の種類ごとに書いた
- [ ] 開発元・販売元の欄を設定した
- [ ] 発売日の表示を守れる粒度で選び、公開したい日の7営業日以上前に審査に出した
次に読む記事
ひとことで:近日登場ページを出したら、宣伝・体験版・発売の準備へ進みます。
- インディーゲームの宣伝:ウィッシュリストの集め方
- ゲームの体験版(デモ)の作り方:体験版と Steam Next Fest
- ゲーム開発の権利と規約:素材のライセンス・生成AI の開示・年齢区分
- ゲームの発売(リリース)手順:価格・発売日と発売当日の動き
- ゲーム開発の全工程マップ:ストアページづくりが全体のどこにあるか



ふぁ……画像のサイズ、規則、審査の日数。ここまで押さえれば、近日登場ページは出せる……かなぁ。まずは小さく縮めたカプセルで、作品名が読めるか見てみてねぇ。









