ゲームを作るにはお金がかかります。開発中の生活費、外注する絵や音、ツールや素材、ストアの登録料、宣伝やイベントの費用。そして売るには、作る以外の仕事(宣伝・翻訳・移植・問い合わせ対応など)も要ります。これらを自分で担うのか、パブリッシャー(販売元)と組むのか、資金をどこから得るのかを決めるのが、この記事のテーマです。工程の中では企画の頃から考え始め、遊べる試作やバーティカルスライスができた頃に、売り込みなどの具体的な行動に移ります。全体の流れは「ゲーム開発の全工程マップ」で確認できます。
本記事では、自主販売とパブリッシャー契約の違い、Steam の登録料と売上の分配、パブリッシャーがすること、売り込みの準備、契約で確かめる点、クラウドファンディング、助成・支援の制度、自己資金で作る場合の考え方を解説し、AI を使う場合の注意もまとめます。本記事は一般的な情報で、法律や税務の助言ではありません。契約や税金の最終判断は、公式の規約と専門家(弁護士・税理士など)に確認してください。規則や制度の内容は2026年10月時点のものです。
夕宮たいだふぁ……みんな〜、今日はお金の話だよぉ。ちょっと生々しいけど、作り続けるには避けて通れないんだぁ。ゆっくりいこ〜。
ゲーム開発の資金とパブリッシャーとは
ひとことで:開発中の生活費と制作費をどこから出すか、売るための仕事を誰が担うかを決めることです。
何にお金がかかるか
| 費目 | 例 |
|---|---|
| 生活費(自分の時間) | 開発に使う期間の家賃・食費など。見落とされやすいが欠かせない |
| 外注費 | イラスト、BGM・効果音、翻訳、声の収録 |
| ツール・素材 | 有料のソフト、素材やフォントの購入、AI サービスの利用料 |
| ストアと手続き | Steam の登録料、ゲーム機の開発者登録など |
| 宣伝と出展 | 予告編の制作、イベントの出展、広告 |
| 機材 | PC、テスト用の端末 |
資金の出どころ
| 出どころ | 得られるもの | 引き換えになるもの |
|---|---|---|
| 自己資金・本業との兼業 | すべての決定権と売上 | 自分の貯金と時間。失敗の負担も自分 |
| パブリッシャー | 開発資金や、宣伝・翻訳・移植などの支援 | 売上の一部。契約によっては権利の一部 |
| クラウドファンディング | 支援金と、欲しい人がいるかの手応え | 返礼を届ける約束と、その手間 |
| 助成・支援の制度 | 返さなくてよい資金、出展や相談の機会 | 応募の手間、条件への適合、報告の義務 |
| 投資(出資) | まとまった資金 | 会社の持ち分。成長の期待に応える責任 |
Steam の早期アクセス(開発途中の版を販売する仕組み)でも収入は得られますが、Steam の公式ドキュメントは、早期アクセスはクラウドファンディングや予約販売の代わりではなく、遊べるゲームがないうちに出さないよう求めています(2026年10月時点)。
自主販売とパブリッシャー契約の違い
ひとことで:自主販売はすべてを自分で担って売上を多く残す形、パブリッシャー契約は資金やサービスを受ける代わりに売上や権利の一部を渡す形です。
デベロッパー(開発元)はゲームを作る側、パブリッシャー(販売元)はゲームを世に出す側です。大きな会社では開発と販売を別の会社が担うことがあり、インディーゲームでは、Steam のように個人でも登録できるストアを使い、開発者が販売まで行う自主販売(セルフパブリッシング)という選択肢があります。
| 項目 | 自主販売 | パブリッシャー契約 |
|---|---|---|
| 開発資金 | 自分で用意する | 契約によっては前払いやマイルストーンごとの支払いを受けられる |
| 売上 | ストアの手数料を引いた残りが入る | ストアの手数料のあと、契約で決めた割合で分ける |
| 権利(IP) | 自分が持つ | 契約しだい(開発者が持つ形も、一部を渡す形もある) |
| 決める権限 | すべて自分 | 契約によっては、発売日・価格・宣伝などを相談して決める |
| 宣伝・翻訳・移植 | 自分で行うか、個別に外注する | 契約の範囲でパブリッシャーが担う |
| 事務 | 登録・税務・問い合わせを自分で行う | パブリッシャーが担う部分がある |


Steam で自主販売する場合
Steam で自分で売るには、Steamworks(Steam の開発者向けの仕組み)に登録し、Steam Direct という手続きで作品ごとに登録料を払います(2026年10月時点の公式ドキュメント「App Fee」「Onboarding」)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録料 | 1本ごとに $100。返金されないが、その作品の Steam での売上(調整後の総売上)が $1,000 に達した後の支払いで回収される |
| 登録に必要なもの | 法的な氏名または会社名(別名や屋号は不可。個人は個人事業として氏名を登録)、銀行口座、税務の情報、本人確認、秘密保持契約と配信契約への電子署名 |
| 税務の照合 | 第三者のサービスで照合され、10〜15営業日かかることがある |
| 発売までの待ち | 登録料の支払いから発売まで最低21日(2026年9月に公式ドキュメントが30日から21日に書き換わった。Steam Direct の紹介ページは30日のまま) |
| 売上の分配 | Steam の取り分は一般に30%で、1作品の売上が1,000万ドルを超えた部分は25%、5,000万ドルを超えた部分は20%に下がる(2018年の公式告知) |
| 支払い | 毎月、売上の翌月30日までに支払われる。$100 に満たない場合は持ち越されることがある |
筆者はパブリッシャーを付けず、サークル名義(MIYADAIKU)で自主販売しています。Steam の登録は法的情報・支払い・税務・身元確認の4部構成で、手続きが止まっていた原因は身分証の写真の不足でした。登録料の $100 は、売上が $1,000 に達すると戻ってきます。また、ストアページの開発元・販売元の欄を設定しないと本名が表示されるので、サークル名などを入れておきます(ストアページの作り方は「Steamストアページの作り方」)。
ストアによって手数料の仕組みは違います。例えば Epic Games Store は、2025年6月から、製品ごと・年ごとに純収入の最初の100万ドルまでは手数料0%、超えた分は12%としています(2026年10月時点。エンジンの Unreal Engine のロイヤリティとは別の制度)。



ほよ? 登録料の $100 って、売上が $1,000 になったら戻ってくるんだぁ。
パブリッシャーがすること
ひとことで:資金の提供に加えて、宣伝・ローカライズ・QA・移植・イベント出展などを、契約で決めた範囲で引き受けます。
| 役割 | 中身の例 | 確かめたいこと |
|---|---|---|
| 資金 | 開発費の前払い、マイルストーンごとの支払い | いつ・何を納めたら・いくら払われるか |
| 宣伝 | 報道機関への案内、広告、配信者への紹介 | 何をどれだけ行うかが書面にあるか |
| ストアの運用 | ストアページ、セールやイベントへの参加 | 価格やセールを誰が決めるか |
| ローカライズ | 翻訳の発注、翻訳の実機確認 | どの言語を、誰の費用で |
| QA | 不具合を探すテスト | 範囲と回数 |
| 移植 | ゲーム機やスマホへの移植、認証の手続き | どの機種を、誰が作るか |
| 出展 | 展示会やオンラインのイベント | 費用の負担と、開発者の参加 |
パブリッシャーの形は会社によって大きく違い、資金は出さずにサービスだけを提供する会社や、特定の地域・機種での販売に強い会社もあります。選ぶときは、自分の作品に近いジャンル・規模の実績があるか、組んだことのある開発者の話を聞けるか、約束する仕事が契約書に具体的に書かれるか、やりとりの頻度や方法が合うかを確かめます。
売り込み(ピッチ)の準備
ひとことで:遊べるものと要点をまとめたピッチ資料で、「何を・誰に向けて・どれだけの期間と費用で作れるか」を示します。
ピッチは、パブリッシャーや出資者に作品を売り込むことです。相手が知りたいのは、おおむね次の5つです。
| 相手の問い | 示すもの |
|---|---|
| 面白いか | 遊べるビルド、ゲームプレイの動画 |
| 誰が買うか | 対象のプレイヤー、似た作品とその位置づけ、ストアページの反応 |
| 作り切れるか | チームの経歴、これまでの作品、いまの進み具合 |
| いくらで、いつまでに | 予算とスケジュール、マイルストーンの案 |
| 何を求めているか | 資金・宣伝・移植など、頼みたいことの範囲 |
ピッチ資料には、作品をひとことで言う一文とキーアート(作品の顔になる絵)、コアループ(繰り返し遊ぶ中心の流れ)と他作品との違い、対象のプレイヤーと似た作品、いまできているもの、チーム、スケジュールと予算、頼みたいこと、権利の状態(素材やツールの利用条件、生成AIの使い方)を入れます。
資料よりも強いのは遊べるものです。バーティカルスライス(ゲームの一部分を製品版に近い品質まで作り、この品質で作れることを示す版)は、品質の基準と作る力を見せられるので、売り込みの材料にもなります。公開中の体験版があれば、それも材料になります(「体験版(デモ)の作り方」)。遊んでもらうビルドを Steam で渡す場合、初めて作品を出す開発者は、アプリの作成から3週間たたないと Steam キーを申請できない点にも注意します(2026年10月時点)。
契約で確かめる点
ひとことで:取り分・回収の順番・権利・マイルストーンと支払い・期間と地域・解約の条件を、具体的な文言で確かめます。
ここに挙げるのは一般的な確認の観点で、法的な助言ではありません。契約書は署名する前に、ゲームや契約に詳しい弁護士などの専門家に見てもらいます。取り分の割合などは契約ごとに違うため、この記事では相場の数字を挙げません。
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 売上の取り分 | 分ける割合と、何から分けるか(ストアの手数料・税金・返金を引いた後か) |
| 回収(リクープ)の順番 | パブリッシャーが出した開発費や宣伝費を、分ける前に先に回収するか。回収の対象になる費用は何か。回収後に割合が変わるか |
| 権利(IP) | 著作権・商標を誰が持つか。続編・移植・グッズなどの権利。契約が終わった後の扱い |
| マイルストーンと支払い | 何を納めたら、いつ、いくら払われるか。承認の基準と期限。差し戻しや遅れのときの扱い |
| 期間・地域・機種 | 何年間、どの国・地域、どのストアや機種での販売を任せるか |
| 宣伝と決める権限 | 宣伝の中身と最低限の約束。発売日・価格・セールを誰が決めるか |
| 報告と確認 | 売上の報告の頻度と、帳簿を確かめる権利 |
| 解約 | どんなときに解約でき、そのとき権利やお金はどうなるか |
| 素材と生成AI | 素材の権利に問題がないことの保証、生成AIの使用の可否と開示 |
回収の順番は特に見落とされやすい点です。例えば、開発費の前払いを受けた契約で、売上をまず前払いの回収に充てる取り決めなら、回収が終わるまで開発者の手元には売上が入りません。また、マイルストーンの成果物は支払いの条件になりますが、開発中に計画は変わるものです。ゲーム専門の弁護士 Tom Buscaglia は、進み具合に合わせて成果物をパブリッシャーと見直せる、柔軟な決め方を勧めています(Game Developer、2005年)。





契約書を「あとで読む」は絶対ダメだよ! 権利と回収の順番は、サインする前に確かめてねぇ。
クラウドファンディング
ひとことで:支援者から先にお金を集める方法で、資金と同時に「欲しい人がいるか」も確かめられますが、返礼を届ける責任を負います。
| 方式 | 中身 | 例 |
|---|---|---|
| 目標を達成したときだけ受け取る(All-or-Nothing) | 期間内に目標額に届かなければ、支援者に請求されず、お金は動かない | Kickstarter はこの方式(公式ヘルプ)。CAMPFIRE でも選べる |
| 集まった分を受け取る(All-in) | 目標に届かなくても、集まった支援金を受け取れる。返礼を届ける責任は残る | CAMPFIRE で選べる |
手数料はサービスやプランで違います。例えば CAMPFIRE の基本プランは支援総額の17%(税別。サービス利用手数料12%+決済手数料5%)で、All-or-Nothing で不成立なら手数料はかからないと案内しています(CAMPFIRE、2026年8月更新)。
返礼に Steam のキーを使う場合、Steam の規則では、支援の返礼に使えるのは Steam での配信が決まった作品だけで、期間限定(最長30日)のキャンペーンに限られ、発売前から遊べるキーは通常2,500本までです(2026年10月時点の「Steam Keys」)。
注意したいのは、返礼の費用と手間(グッズの製造・送料・手数料)を目標額に入れること、目標を超えたら追加を約束するストレッチゴールで作る範囲を膨らませすぎないこと(「ゲーム開発のスケジュールとマイルストーン」)、そして進み具合の報告を続けることです。



ぁぅ……返礼の約束って、お金が集まったあともずっと続くんだよねぇ。届けるまでの手間も、最初に数えておこうねぇ。
助成・支援の制度
ひとことで:返さなくてよい資金や、出展・相談の機会を得られる制度で、応募の条件と時期を公式ページで確かめます。
制度は年ごとに変わり、募集の時期も限られます。2026年10月時点で公式ページを確認できた例を挙げます。
| 制度 | 中身(2026年10月時点) |
|---|---|
| 創風(経済産業省の補助事業のゲーム分野) | 2026年は「コンテンツ産業成長投資支援事業費補助金(IP360:スタートアップ支援事業)」として、1申請あたり上限500万円の補助、専門家の伴走支援、東京ゲームショウ2026での発表の場を用意。2026年の募集は5月に締め切り |
| Epic MegaGrants | Unreal Engine を使うプロジェクトなどへの Epic Games の助成。2026年は年2回の受付で、どちらも締め切り済み |
| SELECTED INDIE 80(東京ゲームショウ) | 選ばれた80作品が無料で出展できる企画。2026年は1,500作品を超える応募から選ばれた。条件には、完全オリジナルで応募者が開発の権利を持つ作品であること、年商の上限(法人5,000万円以下・個人1,000万円以下)などがあった(gamebiz、2026年2月) |
応募する前に、対象になる費用、報告の義務、成果の権利の扱いを確かめます。制度によっては、先に自分で支払い、あとで精算される(受け取りが後になる)ことがあるので、手元の資金の計画にも入れておきます。募集の時期は年間の予定に書き込みます。
自己資金で作る場合の考え方
ひとことで:生活費を含めて「何か月続けられるか」を先に計算し、その期間に収まる規模で作り、撤退や方針転換の線も決めておきます。
- 続けられる期間を出す:手元の資金を、毎月の支出(生活費+開発費)で割る。別の収入があれば差し引く
- 規模を期間に合わせる:期間内にマスターアップまで届く範囲に、作るものを削る
- 兼業という選択:収入は安定するが、開発に使える時間が減る。週あたりの時間で見積もる
- 小さく出して学ぶ:最初は小さな作品を出し、売上や反応から次の規模を決める
- 線を先に決める:節目ごとに、続ける・規模を変える・やめるの基準を、お金と時間の両方で書いておく
- 税金を確かめる:売上が出ると税の申告が必要になることがある。届け出や申告は税務署や税理士に確かめる
AIゲーム開発での資金調達
ひとことで:資料づくりや下調べは AI に任せられますが、誰と組むか・何を譲らないかは人が決め、AI の使い方は説明できるように記録しておきます。
AI に頼める作業
| 作業 | 頼み方の例 | 人が確かめること |
|---|---|---|
| ピッチ資料の構成と下書き | 仕様書とビルドの説明から、ページごとの要点を作る | 作品の魅力が自分の言葉で伝わるか |
| 類似作の下調べ | ストアのタグ・価格・発売時期・レビュー数を一覧にする | 数字と日付を公式のページで照合したか |
| 応募要項の読み込み | 助成やイベントの要項から、条件・締め切り・必要書類を表にする | 原文と照らして読み落としがないか |
| 契約書の論点の洗い出し | 条文ごとに確かめる点と、相手への質問を一覧にする | 最終判断を専門家に確認したか |
| 予算とスケジュールの表 | 費目と月ごとの支出、マイルストーンの案を作る | 金額の前提が正しいか |
| 英語のやりとり | 海外のパブリッシャーへのメールを下書きする | 約束していない内容が書かれていないか |
筆者の「つみこめ!イカサマ魔法麻雀」でも、収益モデル(売り切り、本編を無料にして追加コンテンツで売る形など)や、Steam Playtest(無料で配れる公開テスト)・体験版の使い方を Claude が調べてまとめ、比べたうえで筆者が選びました。
人が決めること
誰と組むか(パブリッシャー、支援者、制度)、何を譲らないか(権利、作品の方向、発売の時期など自分の一線)、資料に載せる数字の最終確認、そして契約への署名は人が行います。AI を使うと資料の見た目を整える時間は大きく減り、その分、中身が正しいか(数字・権利・約束できる範囲)を確かめる仕事と、条件を比べて選ぶ判断の比重が上がります。資料が整えやすくなったぶん、遊べるビルドや作り切ってきた実績のように、AI では作れない根拠が重く見られると考えておくのが安全です。
生成AIの使い方を説明できるようにしておく
パブリッシャーやプラットフォーム、助成の制度によっては、生成AIを使ったか、どの素材にどう使ったかの説明や開示を求めることがあります。例えば Steam では、プレイヤーが触れる絵・音・文章などを生成AIで作った場合、内容の申告(Content Survey)で開示します(作業効率化のための AI ツールの利用は対象外。2026年10月時点)。筆者の麻雀ゲームでは、初回のストアページの審査が、AI 利用の開示が薄いことなどを理由に差し戻され、素材の種類ごと(画像・BGM・文章の下書き・コード/人が作った効果音/実行中の AI 生成はなし)に書き直して通りました。
説明できるように、どの素材にどの AI サービス(とプラン)をいつ使ったか、人がどこを作りどこを直したか、利用規約を確かめた日付を記録しておきます。素材の一覧の表に「作り方(人・AI・購入した素材)」の列を足すだけでも、開示や問い合わせに答えやすくなります。商用利用の条件はサービス・プラン・作った時期で変わるので(例えば音楽生成の Suno は、2026年10月時点の規約で無料プランは個人的・非商用の利用に限られます)、契約で素材の権利を保証するときの根拠にもなります。



下書きは AI にお任せで、数字の裏取りと「ここは譲らない」は自分で。分けて考えると気が楽なんだぁ。
落とし穴
- AI が出した数字をそのまま資料に載せない:市場の規模や類似作の売上などを、AI がもっともらしく作ってしまうことがある。出典をたどれない数字は使わない
- 古い情報をうのみにしない:手数料や制度の募集要項は年ごとに変わる。AI がまとめた情報は、日付と出典を公式のページで確かめる
- 契約の判断を AI に任せない:論点の洗い出しまでにして、最終確認は専門家に
- 機密を入れる前に確かめる:契約書や未発表の資料を AI サービスに入れる前に、相手との秘密保持の約束と、サービスのデータの扱いを確かめる
- 実物と違う見た目を見せない:AI で作った画像で、実際のゲームより良く見せない
依頼文の例
Goal・Context・Done when の書き方は「Claude Code プロンプト設計」「Codexプロンプト設計」で解説しています。
Goal: パブリッシャー向けピッチ資料の構成案と、各ページの下書きを docs/pitch_draft.md に作る
Context: 企画は docs/concept.md、仕様は docs/gdd.md、現状のビルドの説明は docs/build_status.md。
数字は手元の資料にあるものだけを使い、新しい数字を作らない
Done when: 各ページに「伝えたいこと・載せる素材・根拠」がある。
出典のない数字や推測には「未確認」と書き、最後に未確認の一覧がある
よくある失敗と対処
ひとことで:多くは「条件を比べずに決める」「お金の流れの順番を確かめない」「約束と手間の見積もり不足」から起きます。
| 失敗 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 急いで契約し、権利を手放していた | 条件を比べず、専門家にも見せなかった | 複数の相手と話し、署名の前に専門家に確認する |
| 発売後も売上が入ってこない | 回収の順番と対象を確かめていなかった | 何をいくら回収してから分けるのかを契約前に確かめる |
| 承認が遅れて資金が尽きた | 承認の基準と期限が契約になかった | 到達条件・承認の期限・遅れたときの扱いを書面にする |
| クラウドファンディングの返礼で赤字になった | 返礼の製造・送料・手数料を目標額に入れていなかった | 返礼の原価と手間を見積もってから目標額を決める |
| 開発の途中で生活費が尽きた | 続けられる期間を計算していなかった | 支出から期間を出し、規模と撤退の線を先に決める |
| Steam の登録が進まない | 書類の不足(筆者の場合は身分証の写真) | 登録は早めに始め、止まったら不足している項目を確かめる |
| AI が出した数字が間違っていた | 出典を確かめずに資料に載せた | 出典をたどれない数字は使わない |
チェックリスト
ひとことで:資金と販売の形を決める前に確かめる9つの項目です。
- [ ] 生活費を含めた支出と、続けられる期間を計算した
- [ ] 自主販売とパブリッシャー契約の、得るものと渡すものを比べた
- [ ] Steam の登録に必要なもの(法的な名前・銀行・税務・本人確認)をそろえた
- [ ] ストアページの開発元・販売元の欄を設定した
- [ ] ピッチ資料と、遊べるビルドを用意した
- [ ] 取り分・回収の順番・権利・支払い条件・期間・解約を確かめ、専門家に見てもらった
- [ ] クラウドファンディングの返礼の費用と手間を見積もった
- [ ] 使えそうな助成・支援の制度と締め切りを一覧にした
- [ ] 生成AIの使い方を記録し、資料の数字に出典がある
次に読む記事
ひとことで:売り込みの材料づくりと、販売に関わる工程の記事です。
- ゲーム企画の立て方:ピッチの土台になるコンセプトとコアループ
- バーティカルスライスとは:売り込みの材料にもなる、部分的な完成品
- インディーゲームの宣伝:自主販売なら自分で行う、ウィッシュリストを集める宣伝
- ゲーム開発の権利と規約:素材のライセンスと生成AIの開示



ふぁ……自分で売るか、組んで売るか。どっちを選んでも、数字と権利を確かめるのは自分なんだぁ。焦らず比べてねぇ。









