ゲーム開発の権利と規約|素材ライセンス・AI開示・年齢区分まで

ゲーム開発の権利と規約|素材ライセンス・AI開示・年齢区分まで

ゲームには、購入した素材・フォント・ライブラリのコード・外注した曲・生成AIの出力など、他人の権利が関わるものが多く入ります。さらに、ストアには AI 利用の開示や年齢区分などの決まりがあります。権利と規約の確認は発売準備の工程に入りますが、素材を使い始めた時点から記録しておかないと、発売の直前に出どころを調べ直すことになります(工程の全体は「ゲーム開発の全工程マップ」)。

本記事では、著作権の基本から、素材・フォント・コードのライセンス、商標、生成AIの規約と著作権、Steam の AI 開示、年齢区分、プライバシーポリシー、配信ガイドラインまでを、個人〜少人数の開発を基準にまとめます。

本記事は法的な助言ではありません。最終的な確認は、各サービス・ストアの公式の規約と、弁護士などの専門家で行ってください。 規約と制度は2026年10月4日に公式の資料で確認したもので、変わることがあります。

夕宮たいだ

ふぁ……みんな〜、今日は権利と規約の話だよぉ。めんどくさいけど、ここを飛ばすと発売の直前に全部止まっちゃうこともあるんだぁ。順番に見ていこ〜。

目次

ゲームの権利と規約とは

ひとことで:ゲームに入れるすべてのものについて「使ってよい根拠」をそろえ、配る先の決まりを守る工程です。

対象確かめること根拠になるもの
外注・共同制作したもの誰に権利があるか契約書・発注書
購入素材・フリー素材商用・改変・クレジット・再配布の条件素材の規約
フォントゲームに同梱してよいかフォントのライセンス
エンジン・ライブラリ表記の義務・利用料の条件ライセンス文・利用規約
タイトル名同じ・似た商標がないか商標の検索結果
生成AIの出力商用に使えるプランか、既存の作品に似ていないかサービスの規約・生成の記録
ストアの決まりAI 生成コンテンツの開示・年齢区分Steam の内容の申告(Content Survey)
プレイヤーのデータ・配信何を集めて何に使うか、どこまで配信してよいかプライバシーポリシー・配信ガイドライン

確かめる時期の目安は、素材が「使うと決めたとき」、タイトル名が「ストアページを審査に出す前」、開示と年齢区分が「ストアの申告のとき」、クレジットが「マスターアップの前」です。素材を入れるたびに、出どころと規約を台帳(一覧表)に書くのが、最も手間の少ないやり方です。

ゲームの権利と規約で確かめるものの地図。ゲームに入れる8つのもの(外注したもの・購入素材・フォント・エンジンとライブラリ・タイトル名・生成AIの出力・ストアの決まり・プレイヤーのデータと配信)と確かめる根拠、入手元・規約・確認日の台帳
図1:ゲームに入れるものごとに根拠を確かめ、台帳に確認日とともに記録する

著作権の基本

ひとことで:作品を作った人に、登録なしで権利が生まれます。他人の作品を使うには、許諾を得るか、規約やライセンスの条件を守ります。

日本の著作権法では、著作者の権利は作品を作った時点で生まれ、登録などの手続きは要りません(第17条第2項)。音楽・美術・プログラムなども著作物として例示されています(第10条。著作権法)。アイデアや作風そのものは保護されず、文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」も、作風が共通するだけでは侵害にならないと整理しています。ただし線引きは難しいので、特定の作品の見た目や曲を再現する方向の作り方は避けます。

外注で作ってもらったものの権利は、契約で決まります。

  • 譲渡か許諾か:著作権を譲り受けるのか、使ってよい範囲の許諾を受けるのか
  • 作り変える権利:著作権を譲り受ける契約でも、翻訳・編曲・翻案などの権利(第27条)と、作り変えたものを利用する権利(第28条)は、契約で特にそれと書かないと作り手に残ると推定される(第61条第2項)
  • 著作者人格権:公表するか、作者として名前を出すか、作品を勝手に変えられないか、などに関わる権利で、譲渡できない(第59条)。そのため、契約で「行使しない」と取り決めることがある

ゲームを売る事業として、従業員のいない個人(フリーランス)に発注するときは、2024年11月施行のフリーランス・事業者間取引適正化等法により、仕事の内容・報酬の額・支払期日などを書面やメールで明示します(第3条。公正取引委員会)。

夕宮たいだ

ほよ? 登録しなくても、作った瞬間に権利があるんだぁ。だから人が作ったものは、ちゃんと条件を確かめて使おうねぇ。

素材・フォント・コードのライセンスを確かめる

ひとことで:素材は規約、フォントはライセンス、エンジンやライブラリはライセンス文で、使い方と表記の義務を確かめます。

購入素材・フリー素材

素材の規約では、商用利用(売上の上限や法人の扱いの条件も)・改変・クレジットの要否と書き方・再配布(ゲームのファイルから取り出せる形で配ってよいか)・使える場所(予告編・広告・ストアの画像)・生成AIに関わる条項(AI の学習への利用や AI での加工の禁止)を確かめます。

たとえば RPGツクールの利用規約(2026年6月22日改定)は、作品を配るときに、遊ぶ人へ素材の抽出・改変・流用の禁止を告知するよう求めています。同じ改定で、正規に購入した人は、付属の素材をほかのツールで作った作品にも使えるようになりました(RPGツクール公式:利用規約)。古い記事の「ツクール以外では使えない」は今の規約と合いません。

フォント

  • Windows に入っているフォント(メイリオ・游ゴシックなど)は、ゲームに同梱できません。ビットマップフォントに変換するのも不可です。これらで作った文字の画像(ロゴなど)は入れられます(Font redistribution FAQ)
  • SIL Open Font License(OFL)のフォント(Google Fonts の Noto Sans JP など)は、ゲームに同梱して販売できます。フォント単体の販売は不可です。同梱するときは、ライセンス文(OFL.txt)と著作権表示も入れるのが安全です(OFL FAQ)
  • 無料のフォントでも、商用不可・クレジット必須・再配布不可などの条件が付くことがあります
夕宮たいだ

メイリオや游ゴシックをゲームに同梱するのは絶対ダメだよ! 文字を画像にしたロゴならいいけど、フォントのファイルそのものはダメなんだぁ。

エンジン・ライブラリ・音楽

オープンソースのソフト(OSS)にも、表記の義務があります。

  • MIT:著作権表示と許諾表示を、すべての複製または重要な部分に含める(MIT License)
  • Apache License 2.0:ライセンスの写しを渡し、NOTICE ファイルがあればその帰属の表示も含める(Apache License 2.0)
  • Godot:MIT でロイヤリティはありませんが、Godot の著作権表示とライセンス文を、クレジット画面やライセンス一覧の画面などのどこかに入れます(Complying with licenses)
  • GPL:GPL のプログラムを配るなら、対応するソースコードも受け取れるようにします。FSF の FAQ は、パイプやコマンドライン引数でやり取りする別の実行ファイルは通常は別のプログラムとしつつ、やり取りの中身によっては一体とみなされうるとも書いています(GPL FAQ)。迷えば専門家に相談します

ティラノスクリプトのように、MIT ではなく独自の規約(本体の再配布は禁止)のものもあるので、名前で思い込まずに原文を読みます。Unity・Unreal Engine の利用料の条件は「ゲームエンジンの選び方と開発環境」で扱います。音楽は、発注した曲は契約、購入した曲は規約で範囲を確かめ、既存の曲や JASRAC などの管理団体に預けられた曲は、ゲームでの利用に手続きが要ることがあります(JASRAC「ゲームの製作」。詳しくは「ゲームのBGM・効果音の作り方」)。

タイトル名と商標を確かめる

ひとことで:作品名を決めたら、同じ・似た名前の商標が、ゲームに関係する区分で登録されていないかを調べます。

商標は商品やサービスの名前・マークを守る権利で、区分(類)ごとに登録されます。日本の商標は、INPIT(工業所有権情報・研修館)が提供する J-PlatPat で無料で検索でき(J-PlatPat)、つづりだけでなく読み方(称呼)の似たものも探せます(特許行政年次報告書2025年版)。ゲームに関係しやすいのは、第9類(ダウンロード可能なコンピュータ用ゲームソフトウェアなど)と第41類(オンラインによるゲームの提供など)で、ボードゲームやカードゲームの現物なら第28類も関係します(類似商品・役務審査基準〔国際分類第12-2025版対応〕)。海外で売るなら、WIPO の Global Brand Database で、参加する国・地域の商標をまとめて検索できます。

調べるのは、ストアページを審査に出す前です。Steam では、審査を通った後はストアページの編集で作品名を変えられません(2026年10月時点の「Store Page, Building and Editing」)。似た名前が見つかったときや、商標を出願するかは、弁理士などの専門家に相談します。

生成AIを使うときの規約と著作権

ひとことで:商用に使えるかはサービス・プラン・作った時期で決まり、著作権が生じるかは人の創作的な関わりで判断されます。この2つは別の問題です。

サービスの規約とプラン

サービス2026年10月時点の主な条件
OpenAI(ChatGPT など個人向け)出力は利用者が所有する。他の人も似た出力を受け取りうる。出力を人間が作ったものと偽ることは禁止(Terms of Use)
Midjourney作った画像は利用者が所有する。年間売上100万ドル超の会社(とその従業員)は Pro か Mega プランが必要(Terms of Service)
Stability AI年間売上100万ドル以下なら、登録と「Powered by Stability AI」の表示で商用も無料(Community License)
Suno無料プランは個人的・非商用のみ。有料プランのダウンロード枠で正式にダウンロードした曲だけ商用に使える。著作権の発生は保証しない。Suno が付けた透かしやメタデータを、出所やプランを隠したり偽ったりする目的で消したり変えたりしてはいけない(2026年9月3日発効の規約)
Mureka公式 FAQ では、サブスクリプションの料金に商用利用の権利が含まれ、ダウンロードはサブスクリプション限定(FAQ)

規約は改定されるので、使った時点の規約とプランを記録しておきます。

日本の著作権の考え方

文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日に文化審議会の小委員会が取りまとめ)は、法律や判決ではなく、現行法の解釈の目安です(法的拘束力はありません。文化庁:AIと著作権について)。ゲーム開発に関わりの深い点は次のとおりです。

  • 生成したものの利用:侵害かどうかは、通常と同じく「類似性(似ているか)」と「依拠性(その作品に基づいたか)」で判断される。既存の作品が学習データに含まれていれば、利用者がその作品を知らなくても、通常は依拠性があったと推認される
  • AI 生成物に著作権が生じるか:指示なし(または簡単な指示だけ)で生成したものは著作物に当たらない。人が道具として AI を使い、創作的な寄与があれば著作物になりうる。具体的な表現を示す詳しい指示は寄与を認めやすく、選ぶだけでは寄与にならない。人が加筆・修正した部分は、通常は著作物と認められる
  • 学習:作品の表現を味わう目的でない利用(AI の学習など)は、原則として許諾なしでできる(第30条の4)。ただし、学習データの表現を出力させる目的が併さる場合などは当てはまらない

つまり「AI で作ったものには著作権がない」と一律には言えません。指示・選び方・加筆の記録を残すと、どこに人の創作が入ったかを説明しやすくなります。「考え方」本体の改訂版は、2026年10月4日時点で見当たりません。

夕宮たいだ

AI で作ったものに著作権はあるの、ないの……むずかしいねぇ。「人がどれだけ創作に関わったか」で決まる、ってところだけ覚えておこ〜。

生成AIの出力をゲームに使うまでの確認の流れ(規約とプラン・作り方・似ていないかの確認・人の加筆と記録・ストアの開示)
図2:規約とプランを確かめ、似ていないかを人が確かめ、加筆と記録を残してから開示する

Steam の AI 生成コンテンツの開示

ひとことで:プレイヤーが触れる絵・音・文章・翻訳などを AI で作ったら、内容の申告(Content Survey)で開示します。作業を効率化するための AI は対象外です。

2026年10月時点の Steamworks の公式ドキュメントでは、Content Survey の第3部「Generative Artificial Intelligence Content」で申告します(Content Survey)。

区分中身申告すること
対象外開発環境の AI ツールによる作業の効率化(コード補完など)申告しない
事前生成(Pre-Generated)開発中に AI の助けで作り、ゲームに同梱されてプレイヤーが触れるもの(絵・音・物語・ローカライズなど)何に AI を使ったか。審査は AI 以外の内容と同じ基準
ライブ生成(Live-Generated)ゲームの実行中に AI が作るもの上に加え、違法な内容を作らせないための安全策(ガードレール)

2024年1月の導入時の文言にはコードも例に入っていたので、「AI で書いたコードも申告」という古い解説は今の文言と合いません。2026年1月の申告フォームの書き換えでマーケティング素材にも触れたと報じられていますが、公開ドキュメントには記載がないので、迷うものは書いておく方が安全です。説明はストアページの「AI Generated Content Disclosure」欄にそのまま表示されるので、素材の種類ごとに書き分けます(例:「カードの絵の一部は、画像生成AIの下絵に人が加筆しました/英語訳は、AI の一次訳を人が校正しました/実行中に AI が内容を生成することはありません」)。

筆者の麻雀ゲームは、初回のストアページの審査で「AI 利用の開示が薄い」と差し戻されました(作品名の欄の入れ方と合わせて2点)。開示を素材の種類ごと(画像・BGM・文章の下書き・コードに AI を使用/効果音は人が作成/実行中の AI 生成は無し)に書き直して通過しています。ストアページの入力全体は「Steamストアページの作り方」で扱います。

年齢区分(レーティング)

ひとことで:出す先ごとに必要な区分が違います。Steam では CERO は要らず、内容の申告から区分が付きますが、ドイツでは区分のないゲームは表示されません。

出す先必要な区分(2026年10月時点)補足
SteamCERO は不要。Content Survey の回答から、いくつかの地域の区分が自動で作られるドイツは2024年11月15日から、区分のないゲームを表示しない(USK の審査か Valve の自己申告方式。他ストアで IARC により出た USK 区分は入力しない)
日本のゲーム機(パッケージ版)CEROA(全年齢)・B(12才以上)・C(15才以上)・D(17才以上)・Z(18才以上のみ)
日本のゲーム機(ダウンロード専用)条件つきで IARC の区分だけで配信できるSwitch は2020年10月から、PlayStation Store は2022年3月から(PlayStation では18歳以上向けとパッケージとの併売は CERO が必要)
IARC に参加するストアIARC(開発者は無料で取れる)Google Play・Epic Games Store など。Steam は入っていない
北米・欧州のパッケージ版などESRB(北米)・PEGI(欧州)PEGI は2026年6月以降に審査に出す新作から、有料のランダムアイテム(ガチャなど)を原則 PEGI 16 とする

出典は CERO・IARC・Age Ratings Mandatory in Germany・PEGI です。

プライバシーポリシーと配信ガイドライン

ひとことで:プレイヤーのデータを集めるならプライバシーポリシーを用意し、実況や配信をどこまで認めるかはガイドラインで先に示します。

メールアドレス・アカウント・遊んだ記録・クラッシュの報告などを集めて送るなら、何を集め、何に使い、誰に渡すかを示します。日本の個人情報保護法では、個人情報を取得したら、利用目的をあらかじめ公表している場合を除き、速やかに本人に通知するか公表します(第21条。個人情報の保護に関する法律)。スマートフォンのストアはすべてのアプリにプライバシーポリシーを求め、Apple(審査ガイドライン 5.1.1(i))も Google Play も、ストアの所定の欄とアプリ内の両方に置くよう定めています(App Store Review Guidelines・Google Play)。海外の人のデータには、EU の外の事業者にも適用される GDPR(個人情報保護委員会)や、13歳未満の子ども向けのオンラインのサービスにかかる米国の COPPA(FTC)も関係します。作り手自身の情報にも注意します。Steam では、開発元・販売元を設定しないと本名が表示されます(筆者の麻雀ゲームで確認)。

配信ガイドラインは、権利者が「この条件なら配信してよい」と示す許諾の条件です。ゲーム会社のものでは、個人の配信は可・動画サイトの収益化の機能は可・ネタバレの範囲を指定、という形が多く見られます(任天堂のネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドラインなど)。自分のゲームで書くなら、対象者(事務所に所属する人の扱いなど)・配信してよい範囲・収益化・ネタバレへの配慮・禁止事項(改造、素材の配布、誹謗中傷、実況なしの丸ごとの投稿など)・ゲーム内の音楽など第三者の権利・変更することがある旨を決めます。曲が動画サイトの自動照合(YouTube の Content ID)に登録されていると実況動画に申し立てが付くことがあるので(Content ID の仕組み)、曲の規約や契約も確かめます。

判断の基準と完了の条件

ひとことで:配るものすべてに「使ってよい根拠」と確認日が紐づき、ストアの申告と画面の表記が実際と一致していれば完了です。

  • 台帳の全行に、入手元・規約またはライセンス・確認日・表記の要否がある
  • 表記が必要なものが、クレジット画面やライセンス一覧の画面に入っている
  • 作品名を、ゲームに関係する区分で検索した
  • Content Survey(内容と AI の開示)が、ゲームの実際の中身と一致している
  • 判断に迷った点は、専門家に確かめたか、使わないと決めた

AIゲーム開発での権利の確認

ひとことで:素材とライセンスの洗い出し、規約の要点の整理、開示文の下書きは AI に任せやすく、最終の判断と開示の内容は人が持ちます。

記録が追いつかないことが一番の変化

AI を使うと素材もコードも速く増えるので、出どころの記録が追いつかなくなるのが、この工程で起きる一番の変化です。記録は後でまとめず、作業の一部として AI に台帳を更新させます。

AI に任せやすいこと人が持つ判断
フォルダ(アドオン・ライブラリ・フォント・音声など)を調べ、使っているものとライセンスの一覧を作る使うかどうかの最終判断
一覧から、クレジット画面とライセンス一覧の下書きを作る規約の解釈に迷ったとき、専門家に相談するか
素材の規約から確かめる点を抜き出す(原文の URL と確認日つき)開示の内容(何に AI を使ったかを知っているのは作り手だけ)
素材ごとに、入手元・規約・確認日と、生成サービスが付けたメタデータや透かしの有無を台帳にまとめる申告と審査に出す操作
Steam の AI 開示の説明を、素材の種類ごとに下書きする書いた内容が事実か

落とし穴

  • 要約をうのみにする:AI の要約では条件の抜けや取り違えが起きます。「商用可」の一言の裏に、売上の上限やプランの条件が付いていることがあるので、判断に使う条文は原文で読み直します
  • 規約は変わる:Suno(2026年9月3日発効)、RPGツクール(2026年6月改定)、Steam の AI 開示の文言(2026年に書き換え)のように、この1年でも条件が変わっています。AI の知識も古いことがあるので、確認した日を台帳に残します
  • 頼んでいない依存の追加:AI エージェントは作業の途中でライブラリを足すことがあります。依存関係の変更は差分で確かめ、ライセンスの一覧を更新します
  • 他作品の再現:特定の作品やキャラの名前を挙げて「〇〇風に」と頼むと、似た出力になるおそれがあります

筆者が確かめたこと

  • GPL のエンジン:開発中の将棋ゲームでは、CPU に GPL のエンジンを別の実行ファイルとして同梱していましたが、自作のエンジンが目安の強さを超えたので外しました。MIT ライセンスの定跡データと、利用条件の書かれていない棋譜は、クレジットに明記しています
  • 素材の規約と AI へのルール:使った効果音のサイトの規約を確かめ、AI の学習データへの利用を禁じる条項があることも記録しました。Codex に読ませる作業のルールのファイル(AGENTS.md)には、他作品の固有のデザインを再現しないことを書いています(書き方は「Codex AGENTS.md完全ガイド」)

依頼文の組み立て方は「Claude Code プロンプト設計」で解説しています。

Goal: 配布物に入るサードパーティの素材・フォント・コードの一覧と、クレジット画面の下書きを作る
Context: エンジンは Godot 4。addons/、fonts/、assets/audio/ と、素材の購入記録 docs/asset_ledger.md を調べる。
  規約やライセンスの要点には、原文の URL と確認日を必ず添える。使えるかどうかの判断はしない
Done when: docs/third_party.md に「名前・入手元・ライセンス・表記の要否・確認日」の表があり、
  表記が必要なものの全文が credits/licenses.txt にまとまり、判断できない行には印が付いている
夕宮たいだ

ぁぅ……規約って、気づかないうちに変わってるんだよねぇ。確認した日を書いておくの、忘れないでねぇ。

よくある失敗と対処

ひとことで:多くは「入れたときに記録していない」「名前や表記を後回しにした」のどちらかです。

失敗原因対処
発売の直前に素材の出どころがわからない入れたときに記録していない素材を入れるたびに台帳に書く
Windows のフォントを同梱してしまう開発中の仮のフォントのまま出した同梱できるフォントに替え、ライセンス文を入れる
ライセンス表記が足りないエンジンやライブラリの表記の義務を見落とした依存の一覧から、ライセンス一覧の画面を作る
作品名を変えたくなった商標を調べずに審査に出したストアページの審査の前に検索する
AI の開示で差し戻される説明が「AI を使用」の一言だけ素材の種類ごとに書き分ける
無料プランで作った曲を売り物に入れた作った時点のプランを確かめていない生成した時点のプランと規約を記録し、条件に合うものだけを使う

チェックリスト

ひとことで:審査に出す前と発売の前に、次の項目を確かめます。

  • [ ] すべての素材・フォント・コード・曲について、入手元・規約・確認日を台帳に書いた
  • [ ] 同梱するフォントは同梱が許されたもので、ライセンス文を入れた
  • [ ] エンジンとライブラリのライセンス表記を、クレジットかライセンス一覧の画面に入れた
  • [ ] 外注した作品の権利(譲渡・許諾・作り変え・クレジット)を契約で決めた
  • [ ] 作品名を、ゲームに関係する区分で検索した
  • [ ] 生成AIの出力について、使った時点のプランと規約を記録した
  • [ ] Content Survey で、AI の開示を素材の種類ごとに書いた
  • [ ] 出す先ごとの年齢区分を確かめた(Steam ではドイツの区分も)
  • [ ] データを集めるならプライバシーポリシーを、配信を認めるならガイドラインを用意した

次に読む記事

ひとことで:権利と規約が関わるほかの工程の記事です。

夕宮たいだ

ふぁ……台帳、ライセンス表記、商標、AI の開示、年齢区分。そろえば安心して出せる……かなぁ。迷ったら、公式の規約と専門家に確かめてねぇ。

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